舞台用メイクにプラスして私が時々利用するカラーコンタクトレンズについての独り言です。美容の問題ではなく、いえ、美容のためもあるかもしれませんが、着けると何だかシャキッとして、あら不思議、顔から疲れが消えたような気がするのです。日々のちょとしたイライラも、まるでなかったことのように…。鏡ばかり眺めて過ごしているわけではないですよ。それなのに、私自身が自分の表情に騙されてポジティブな気持ちで活動できるのです。だから、もう駄目だという時にはこっそり使ってしまうのですが、同居家族は私がカラーコンタクトレンズを着けていることにはほぼ気付きません。
ところが、困るのは翌日なのです。家族は一日中機嫌が悪く、「お前何喧嘩売ってんねん?」と言わんばかりです。どうやらカラーコンタクトレンズを外して元の目の大きさに戻ると、小さな目を攻撃的なものと警戒する動物の本能から、表情が怒っているように見えてしまうらしいのです。全然怒ってなんかいないのに、こんなに騙されるものだとは!せめて毎日顔を合わせる家族には「カラーコンタクトレンズ着けているよ」とお知らせしておくべきなのかもしれません。
芸術の受け止め方も人それぞれ、その時によって様々ですね。同じものを同時に同じ角度から見ることは出来ませんから、同じように感じましょうというのも無理難題です。人は皆同じ世界を違う角度から眺め、それぞれの知識を蓄えていくのですから、皆違って当たり前ですね。子どもの頃はそれがよくわからなくて、悩んだ末、私は多様な考え方が認められていると思われるイギリス留学に飛び出して行ったのでした。コロナ禍で一人の時間ばかりになっている人も多いかと思います。自分と向き合える時間は貴重、ですが、他人と顔を合わせてお喋りしたり芸術を共有したりする時間は掛けがえのないものだと痛感するこの頃です。
岩渕
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