【終演】楽友の響VOL.6~初期ロマン派の名曲をあつめて~

終演

奈良の文化振興に貢献し、音楽を通しての友情の輪を広げていくことを目的として発足した「なら楽友協会」の30周年記念演奏会が開催されました。

ベートーヴェンの時代に確立された音楽語法が受け継がれ、豊かに発展を遂げ、多様性を増していった「ロマン派」時代の幕開けに焦点を当て、様々な編成のアンサンブルをお楽しみいただきました。ナポレオン戦争やワルシャワ動乱の時代でもあります。現代を生きる私たちが、目を向け、学び続けなければならない歴史の上に、素晴らしい芸術作品の数々も残されてきたのですね。

古都奈良から一歩ずつ、穏やかな友情の輪を広げていきたいと願い、同郷の仲間たちと力を合わせて開催させていただいた演奏会でした。

多川響子さん(ピアノ)に共演いただいたイザイ編曲によるショパンのバラード第1番は、弾いていてそのまま自由に飛んでいってしまえるのではないかと思うほど美しい作品です。お客様から「涙が出るほど感動した」と共感のメッセージをいただきました。実は私も(めったにないのですが)演奏しながら作品の凄さに涙が出るほど感極まってしまっていたのでした。勿論しっかり緊張もしていましたよ。技術的には練習しても練習しても集中力の要るたいへんな曲なのですが、臆せずレパートリーに入れていきたいと思います。

 

穂積洋子さん、大津直子さん、堀江彩子さん(ヴァイオリン)、小林明日香さん、冨田朋子さん(ヴィオラ)、幸野久司さん、細辻秀美さん(チェロ)に共演いただいたメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲 第1楽章は、練習を重ねて皆の心がひとつになり、活き活きとした、今の私たちのベストなアンサンブルを聴いていただくことが出来たように思います。

奈良の仲間たちとの大きな挑戦が終わりました。これからさらに発展を続けていくことが出来ますように!

次回の「楽友の響」は2023年8月13日(日)に、秋篠音楽堂にて開催予定です。

(岩渕)

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河野泰幸

クラリネット奏者。

京都市立堀川高等学校音楽科、東京藝術大学音楽学部器楽科を経て、シュトゥットガルト音楽演劇大学大学院修了。

在独中、リューベック歌劇場、プフォルツハイム市立劇場のクラリネット奏者として研鑽を積む。第10回京都芸術祭で京都市長賞受賞。

Trio Rintonareでのコンサートが評価され青山財団より2008年度バロックザール賞受賞。札幌音楽家協議会会員。

現在、札幌大谷大学芸術学部音楽学科准教授、札幌大谷高校音楽科非常勤講師。2015年より札幌在住。

詳細、過去の演奏会はこちらをご覧ください。

岩渕晴子

ヴァイオリニスト

京都市立堀川高校音楽科を卒業後、奨学生として英国王立音楽院Royal Academy of Music(ロンドン)に留学。音楽学士号BMus、教師資格LRAM、および大学院演奏ディプロマPGDip取得。

ブリストル大聖堂(イギリス)、エネスク・バルトークホール(ルーマニア)、青山音楽記念館バロックザール(京都)等にてリサイタル開催。

室内楽演奏会「ロンドン~室内楽の散歩道」「0歳からのファミリーコンサート」等主宰。イザイの無伴奏ソナタ全6曲、ヴァイオリン小品集の2枚のCD録音。国内外のオーケストラと共演を重ね、2010年いずみホール(大阪)にてモーツァルト室内管弦楽団と、2013年ルーマニアにてハーモニアス室内管弦楽団と、2014年及び2018年オラデア音楽祭(ルーマニア)にてオラデアフィルハーモニーと協奏曲共演。

兵庫芸術文化センター管弦楽団第1期コアメンバー、ヤマハなんばセンターヴァイオリン講師、ヤマハジュニア弦楽アンサンブルおよびオーケストラジュニア講師を経て、2015年より札幌市に拠点を置く。独奏、室内楽、オーケストラ奏者として演奏活動を行い、2019年ザ・ルーテルホール共催による企画ミュージック・トゥモーロ―ではピアノの岡本孝慈氏と共にブラームスのクラリネット・ソナタ(作曲家自身の編曲によるヴァイオリン版)を取り上げた。

詳細と過去の演奏会、動画はこちらをご覧ください。

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