奈良の文化振興に貢献し、音楽を通しての友情の輪を広げていくことを目的として発足した「なら楽友協会」の30周年記念演奏会が開催されました。
ベートーヴェンの時代に確立された音楽語法が受け継がれ、豊かに発展を遂げ、多様性を増していった「ロマン派」時代の幕開けに焦点を当て、様々な編成のアンサンブルをお楽しみいただきました。ナポレオン戦争やワルシャワ動乱の時代でもあります。現代を生きる私たちが、目を向け、学び続けなければならない歴史の上に、素晴らしい芸術作品の数々も残されてきたのですね。
古都奈良から一歩ずつ、穏やかな友情の輪を広げていきたいと願い、同郷の仲間たちと力を合わせて開催させていただいた演奏会でした。
多川響子さん(ピアノ)に共演いただいたイザイ編曲によるショパンのバラード第1番は、弾いていてそのまま自由に飛んでいってしまえるのではないかと思うほど美しい作品です。お客様から「涙が出るほど感動した」と共感のメッセージをいただきました。実は私も(めったにないのですが)演奏しながら作品の凄さに涙が出るほど感極まってしまっていたのでした。勿論しっかり緊張もしていましたよ。技術的には練習しても練習しても集中力の要るたいへんな曲なのですが、臆せずレパートリーに入れていきたいと思います。
穂積洋子さん、大津直子さん、堀江彩子さん(ヴァイオリン)、小林明日香さん、冨田朋子さん(ヴィオラ)、幸野久司さん、細辻秀美さん(チェロ)に共演いただいたメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲 第1楽章は、練習を重ねて皆の心がひとつになり、活き活きとした、今の私たちのベストなアンサンブルを聴いていただくことが出来たように思います。
奈良の仲間たちとの大きな挑戦が終わりました。これからさらに発展を続けていくことが出来ますように!
次回の「楽友の響」は2023年8月13日(日)に、秋篠音楽堂にて開催予定です。
(岩渕)
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